フライトマップの「変な表示」は心臓に悪い。【ガルーダインドネシア航空の機内エンターテイメントシステム】

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フライトマップの「変な表示」は心臓に悪い。【ガルーダインドネシア航空の機内エンターテイメントシステム】
  • 最近の飛行機では各シートに個別液晶モニターが設置され、乗客が自由にコンテンツを楽しめるようになっています。
  • これを「機内エンターテイメントシステム」あるいは英語で「In-flight entertainment (IFE) 」と言うそうです。
  • このシステムには実に多くの映画・テレビ番組・音楽・ゲームなどが搭載されていますが、私はもっぱら“今ここを飛んでいますよ”を教えてくれる「フライトマップ(正式にはMoving-map)」を表示しっぱなしにしています。
  • 直近のフライトで、このムービングマップの表示が面白いことになっていたのでご紹介します。

When(訪問・利用・購入時期)

  • 「面白い表示(変な表示)」を見たのは2019年春のバリ島旅行時。
    • それ以外の旅行回でも、フライトマップは常に愛用。

Where(所在地)

  • 成田空港〜バリ島 ングラ・ライ国際空港(デンパサール空港)」間の空路にて。

Who(同行者の有無など)

  • 複数名での旅行なれど、フライトマップの「変な表示」に興奮する者は自分のみ。

Why(訪問・利用・購入目的&期待値)

  • そもそもフライトマップの何がそんなに楽しいのかというと…
    • 元々が地図好き
    • GPSやら基地局電波によって「現在位置がピンポイント表示」されると、自分が地図の一部になったようで楽しい。(よってGoogleマップも大好き)
    • 「自分が移動すると、それに合わせて地図も移動する」同期性・追従性が健気(けなげ)でかわいい。(だからカーナビも大好き)
    • 何の目印も見当たらない上空1万メートルの空間を、マッハスピードで移動するという「ある種、暴力的な行為」ですらしっかりと捕捉し続けてくれる現代テクノロジーへの安心感。   など。
  • 特に着陸時、画面の表示データから「まさに自由落下並みの勢いで高度を下げている」ことが分かると、いろんな意味で興奮している自分がいる。

What(やったこと・体験したこと)

  • 一定間隔でループ表示される画面を見続け「この1分で何km移動したのか」を考えながら「ジェット飛行」を実感する。
  • 地図や緯度・経度情報を見つめながら「今、伊豆半島沖」「フィリピン上空までやってきた」「ついに赤道通過」などと“地球と自分の位置関係”を味わう。
  • フライトマップに飽き足らず、「機内インターネット接続サービス(有料)」を利用して手持ちのiPadで「Flightradar24」アプリを起動し、「フライトマップ vs Flightradar24」で両者の位置精度を比較したりしたことも。(経験は1回のみ)
    • このアプリは、通常は「地上での使用」を想定したものと思われるが、フライト中に起動すればさらに楽しさが倍増することうけあい。

How Much(消費コスト)

Photo(記録写真)

  • 過去の写真もあわせてご紹介します。
2002年当時のビジネスクラスシートにて。ひじ掛けの中からモニターを引き出してフライトマップを鑑賞。テーブルクロスが敷かれコーヒーカップが載っていますから、食事中もずっとこれを眺めていたものと思われます。もはや変態の域。
こちらも2002年当時。昔のテレビゲームのような画素数。ギザギザがいい味出してます。
こちらは2015年当時解像度がアップし、地図の描画もずいぶんと精緻なものに。
同じく2015年。飛行機の前方はに極めて直線的な予定飛行ルートが描かれ、後方は実際の飛行履歴ルートが上書きトレースされているため、多少ジグザグ。
で、直近の2019年。エリア別の昼夜帯も分かりやすく表現されてます。
同じく2019年。一定間隔でループ表示される画面の1つを撮影。出発地である東京付近の飛行実績ルートが、なぜかダブっているように見えます。
拡大画面を見ると、明らかにルートが二重に。なぜ?
超拡大。最初のうちは「予定ルートと実績ルートの両方を表示しているんだろう」と思い込んでいました。
ところが「東京から目的地(Destination)まで」の移動距離画面が表示されたところで、さらなる疑問に直面。やっと沖縄沖を通過したあたりなのに、左上に「ここまで7,433km飛行済み。残りは4,181km」との表示が。そもそも東京〜バリ島間の飛行距離は5,600kmぐらいなのに、この画面によると総飛行距離が11,600kmもあることになってます。なぜ2倍に?
そうこうするうち、今度は出発地点がなぜか「デンパサールから」になってます。この画面でも「7,400km飛んできました。残りはあと4,100kmです」と表示されてます。東京(成田)から乗ってきたはずなのに。
バリ島到着間際になって、今度は画面下部に表示される「ここまでの飛行所要時間」もおかしいことに気づきました。「出発してから13時間47分経過」だそうです。実際は7時間弱で着くはずなのに、なぜ?
  • ここに至って、私はようやく以下のような仮説にたどり着きました。
    • 飛行距離から考えると、「デンパサール〜成田間の往復便」のように見えてしまっている。
    • もしかすると、デンパサールから成田に飛んできた飛行機(GA880便)を「折り返し『成田 → デンパサール便(GA881便)』として設定する」際に、往路分のフライト履歴情報をリセットしなかったのではないか?
    • だから、あたかも「デンパサール発 → 成田経由 → デンパサール着」のような妙なルート設定になってしまったんじゃないのか?
  • この仮説に沿えば、確かにいろんなことの説明がついてきます。
ルートが二重にブレて見えるのは、往路(GA880便)と復路(GA881便)で飛行ルートがちょっとズレたから。
移動距離が2倍になっているのは、「デンパサール発 → 成田経由 → デンパサール行き」の往復扱いになっているから。飛行所要時間が2倍になっているのも同様の理由。
だとすると、一定間隔でループする画面の中に「出発地:東京」が紛れ込むことの説明がつかなくなります。しかし、これ以上考え込んで「当機材の飛行制御システムにまつわる重大な不具合」とかに気づいてしまったら不安が倍増するので、見て見ぬ振りを決め込むことにしました。
で、まもなくデンパサールに着陸。デンパサール出発時のルートからどんどんずれて行きます。
やがて、デンパサール空港に出発地を示す黄色いマークが打たれているのが見えてきました。これで「フライト履歴を成田でクリア・再設定していない」ことがほぼ確定したかと。なんとも大らかな運用です。(ルートがずれてきたのは「滑走路の東方向へ離陸着陸時は西方向から」だということですよね)

Good(イケてる点)

  • フライトマップの進化について、改めて思いを致すことができた。
  • フライトマップシステムの手作業チックな運用方法が何となく想像できた。

Not Good(イケてない点)

  • 飛行ルートがダブって見えたときには、「この機体のフライトを司る制御システム全体に影響するトラブルが発生しているのでは?」と、マジで気が気ではなかった。
  • 乗客が見るフライトデータは、正確に反映しておいてほしい。(機材を使い回す場合には、フライト履歴をきちんとクリアしといてほしい)
  • 機内でウトウトして目が醒めた時に「もう7,000km飛びました。13時間飛び続けてます」という画面を見て、「どこか遠回りでもしたのか? あるいはバリ島を通り越して、オーストラリアにでも行く気なのか?」と本気であせった。
  • 実は帰りの便も、今度は「成田発 → デンパサール経由 → 成田着」というふうに、すべてが倍増された状態で表示されていた。おいコラ。

Conclusion(まとめ)

  • 機内の公式フライトマップが変な表示になっていたら、20ドルちょっと払ってWiFiつないで「Flightradar24」を起動したほうが、精神衛生上、幸せになれるかも。
  • そもそも「Flightradar24」のほうが情報量が豊富だし。
画面が勝手にループ表示されないので、見たい情報を見たいタイミングで見られます。(画面は2017年当時
高度や速度までグラフ表示。実に楽しい。これが無料アプリとは。(有料版なら、もっと機能が充実します)

Link(関連サイト)

  • 英語版Wikipedia「In-flight entertainment」の“Moving-map systems”より(ムービングマップシステム(フライトマップ)を手がける企業名などが記載されてます)
In-flight entertainment - Wikipedia

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