- 東京・上野の東京国立博物館(平成館)で開かれている国宝展を見たついでに、本館の常設展示部分も見てきました。
- 東京国立博物館(以降、トーハク)における常設展示は、「総合文化展」と呼ばれており、2011年1月以前は「平常展」と呼称されていたとのこと。いろいろややこしいので当記事では「常設展示」とさせていただきます。
- ただ、この常設展示においても、「国宝展」のような特別展とは別に、頻繁に特別企画や特集展示が開催されており、何度も行きたくなるような工夫がされているようです。だから“常設”とか“平常”というニュアンスを払拭すべく「総合文化展」と呼ぶようにしたんでしょうね。まぁ、それだけ所蔵コレクションが膨大だということでもあります。
場所はここ。
常設展示は、本館だけでなく平成館・東洋館・法隆寺宝物館・黒田記念館・表慶館でも行われていますが、今回は本館と平成館の見学にとどめました。トーハク、デカすぎ。
写真。
少なくとも本館・平成館における常設展示は、特別展(今回でいえば国宝展)と異なって、ほとんどのコレクションが撮影可能となっていました。すばらしい。
ということで、まずは外観から。和テイスト&オリエンタル。↓
で、トーハクの本館といえば、何はなくともまずはこちらの大階段。さまざまなドラマのロケ地で有名。↓
お客さんの昇降が途切れた瞬間をねらって撮影。↓
土日だと人が途切れることはないんじゃないかと想像します。平日に来れたことに感謝。
天井を入れて。1937年竣工・翌1938年開館の本館、建物自体がもうすばらしい。↓
階段の途中から、2階ホールと1階ホールを入れて。↓
この本館自体が重要文化財だそうです。すばらしい。
2階ホールから見た天井と大階段と大時計。↓
2階ホールの照明。かっこいい。↓
2階ホールに隣接する貴賓室。ザ・皇室仕様。↓
本館は、展示スペースも渋いです。展示物よりも建物そのものに関心が向かってしまいます。↓
本館裏側に面した休憩スペース。↓
壁はモザイク貼り。床はタイル貼り。手間がかかってます。
壁のモザイクのアップ。すばらしい仕事です。↓
開かずのドア。かっこいい。。。。↓
ドア上の時計。壁に埋め込まれてますが、修理(交換?)した形跡もありますね。↓
メンテナンスしながら現役で動いていて、これまたかっこいい。
その天井。↓
人・モノ・カネを注ぎ込んでる感じがします。
そして、隅っこにはなぜか業務用らしき黒電話。「使わないでください」的なメッセージが添えられてました。笑↓
休憩スペースからは裏庭のテラスに出られます。上野の緑が堪能できます。↓
テラスから振り返って、本館の裏側を撮影。↓
裏側も手を抜いてる感はゼロ。
膨大な常設展示があったわけですが、その中から個人的に気に入ったものをついでにいくつかご紹介します。
地図好きにはたまらない、狩野忠敬。↓
特集展示コーナーにあった歴代の展覧会ポスター。↓
2ヶ月間弱で150万人を集めた1974年の「モナ・リザ展」のポスターがあまりに地味で驚きました。
本館と平成館の間には連絡通路があります。↓
考古展示室は平成館側です。
ここを通り抜ければ、「特別展の時間指定入場のために外で整列待ちさせられることなく、平成館に入館」できちゃうと思います。国宝展のような大人気イベントの運営として、この“知る人ぞ知る”な状態って、どうなんでしょうか…。↓
(自分も、特別展を見た後に知った次第でして)
で、平成館の考古展示室に到着。↓
縄文時代(紀元前14000年〜紀元前10世紀)の土偶。いやぁ、すばらしい。↓
土偶、揃い踏み。↓
(縄文時代のデザイン、ぶっ飛んでて好きです)
弥生時代(紀元前10世紀〜紀元後3世紀)に作られた銅鐸、揃い踏み。↓
大陸が起源だからでしょうか、縄文ほどのオリジナリティは感じないかも…。
3〜7世紀の古墳時代の埴輪(はにわ)揃い踏み。↓
かわいいんですけど、ツルンとした質感が物足りない…。
奈良時代・8世紀の鬼面文鬼瓦。↓
バリ島の聖獣バロンに似てるかも。
平安時代・10〜12世紀の押出蔵王権現像。↓
宙に浮かせた展示も、照明の当てかたも、いい感じです。
アップにしたら、けっこうな仏頂面でした。笑↓
それもかわいい。
自分の興味関心が考古物に集中していたこともあって、他の展示エリアにおいてはこんな俯瞰っぽい写真しか撮っておりませんでした。↓
屏風よりも、明らかに展示空間とか内装に興味が偏ってます。↓
ミュージアムショップも充実。↓
そして、正面出口の脇に飾ってあった、トーハク創設の起源となる「湯島聖堂博覧会」の関係者の写真。↓
1872年なので、ちょうど150年前の撮影です。ということで、祝・トーハク150年。そして先人に感謝。
そんなこんなで、本館を後にしました。↓
いつかまた来ます。
所感。
恐ろしいほど膨大な所蔵品が定期的に入れ替えられながら展示されているトーハクの常設展示は、すばらしいものがありました。
しかも、時代別あるいはテーマ性を意識した展示構成になっていますので、「考古物が見たい」「仏教美術が見たい」「書画が見たい」などの欲求を十分に満足させてくれるものと思います。
その意味では、「オレんちにある国宝、ちょっとずつ入れ替えながら全部見せるよ」という、節操もストーリー性もない今般の特別展よりも、私は圧倒的に常設展示(正式には総合文化展)のほうが気に入りました。
とはいえ、これだけの規模の施設を維持・管理していくのは相当に大変なわけで、いろんな切り口で集客数を稼げそうなイベントも必要なんだと想像します。
ということで、これからもがんばってください、トーハク(特に本館)。
Link(関連サイト)
東京国立博物館さんの公式サイト。↓

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