- 先日、仕事の関係者を羽田空港までお見送りに行ったのですが、自分が手ぶらで身軽だったこともあり、「帰りは乗り物などを使わずに、ウォーキングがてら徒歩だけで市街地まで行けないものか?」と考え、実践してみることにしました。
- 趣旨的には、空港の敷地を徒歩だけで脱出できさえすれば目的達成ではありましたが、せっかくなので2022年3月12日に開通したばかりの多摩川スカイブリッジを目標にして歩ってみた次第です。(←ヒマか?)
徒歩ルートの前提。
羽田空港にある3つの旅客ターミナルのうち、比較的市街地に近いのは第3ターミナルで、最も奥まっているのが第2ターミナルです。
で、第2と第1ターミナルの間は歩行者用の連絡通路があるらしいので、現実的には「第1ターミナルから歩いて第3ターミナルやスカイブリッジに行ければ、敷地内を脱出できたも同然」と判断し、ルート検索することにしました。
悪戦苦闘しつつも、徒歩ルートが判明。
さっそくGoogleマップさんで「第2ターミナルから多摩川スカイブリッジまで」をルート検索すると、なんと「徒歩ルートを計算できませんでした」とのつれないお返事。↓
「もしかして、第2〜第1間の連絡通路が加味されていないのかも」と思い、スタート地点を「第1ターミナルから」に変更してみましたが、やはり「徒歩ルートを計算できません」とのこと。↓
で、いろいろ試してみたところ、第1ターミナル前の道路あたりに手動でスタートポイントを設定したところ、なんと徒歩ルートが表示されたではありませんか。
そうなのです、羽田空港を徒歩で抜け出す(羽田に徒歩で向かう)ことは可能なのです。↓
ルート検索のコツとしては、第1ターミナルの南隣にある蒲田消防署ターミナル分駐所の前あたりにピンを立てることです。↓
ここからだと、なぜか徒歩ルートがつながりました。不思議。
写真解説。
実際に歩いてみたところ、2か所ほどわかりにくいポジションがありましたので、そこも含めて写真でご紹介してみます。
せっかくなので、第2ターミナルから歩いてみましょう。↓
地下1階の京急線のりば方向に進みます。↓
すると、「第1ターミナル連絡通路」の案内板が出てきます。↓
(写真右側のエスカレーターで降りても大丈夫です)
京急線の改札口の左横に連絡通路がありますので、直進します。↓
本来は「動く歩道」もある通路らしいのですが、2023年3月末まで改修工事中で、ちょっと狭くなっていました。↓
で、第1ターミナル側に到着です。↓
地上(1階)に上がります。↓
出口から外へ。↓
第1ターミナルに沿って、南端(ターミナルを背にして右側)へ向かいます。↓
すると、南端にハイヤー乗り場が見えてきますが、通過します。↓
ここも直進。↓
頭上にあるのは、2階出発ロビーに直結する道路。
コンクリートブロックで舗装された歩道を道なりに。↓
さらに道なりに。↓
正面に第1ターミナルの1番搭乗ゲートが見えます。
どんどん道なりに進みます。↓
ブロック舗装の歩道を進みます。↓
なぜか隆起するブロック舗装を横目に直進。↓
まだまだ直進。↓
すると、A滑走路とC滑走路を繋ぐ誘導路が見えてきて、旅客機が悠々と移動中。
誘導路下のトンネル方向へ。↓
この先に整備場があるためか、けっこう歩行者もいらっしゃいました。
いよいよトンネル突入。↓
通行者は、スーツ着用率が高かったです。
トンネル。↓
補修跡だらけの天井が痛々しい。
トンネルを抜けたら階段を登ります。↓
スロープがあるので、スーツケースを引いていても問題なし。
階段の踊り場から振り返ったところ。↓
上に進みます。
「ここに、こんな歩行者ルートがあったとは」という感じなので、踊り場のポジションをGoogleマップで貼っときます。↓
(分かりにくいポジションその1)
階段を登ったら、横断歩道を渡り、左折です。↓
目の前が誘導路なので、飛行機が行ったり来たり。
左折したら、道路と鉄柵の間を直進します。↓
ドローンを飛ばしてはいけません。バードストライクに加えてドローンストライクが発生しかねませんからね。↓
突き当たりを道なりに左折。↓
正面の建物は飛行機の格納庫などが見学できるJALスカイミュージアム。行きたい。
スカイミュージアム前の道路中央にあるバス停の島へ。↓
(空港関係者しか乗れないバスかも)
南にある陸橋方向に前進。↓
で、横断歩道を渡ったら、「陸橋の脇」にある左側の歩道に進みます。↓
(陸橋を上ってはいけません。←ここ大事)
Googleマップだと、ここです。↓
(分かりにくいポジションその2)
ストリートビューだとこんな感じ。「左側の地上の歩道」をGO。↓
どうみても行き止まりにしか見えませんが、直進すると…。↓
でっかい道路にぶつかって、歩道が右にカーブしていきます。ここをどんどん進みます。↓
すると、こんな感じで歩道が続きます。↓
再びトンネル登場。↓
A滑走路ならびに整備場(格納庫)前のエプロンの真下を通過するみたいです。
トンネルの手前に、なぜか「写」の文字。↓
全長885メートルってことですね。↓
歩道はアスファルト舗装とブロック舗装の2タイプ。お好みでどうぞ。↓
この真上で飛行機が離発着を繰り返しているだけあって、かなり頑丈そうなトンネル。
そして中途半端に拭かれた壁の粉塵。↓
粉塵の中に国民的キャラクター出現。↓
こんなもん描いているヒマがあったら、いち早くトンネルを脱出すべきかと。
出口。↓
ようやく車両の轟音・排気ガス・粉塵から解放。(トンネル内にはなぜか硫黄の匂いも立ちこめてました)
右側が空港の敷地。左側は多摩川の河口川岸です。↓
この太い道路は、首都圏の大動脈のひとつ、環状8号線(通称“環八”)だったようです。↓
環八と空港敷地の間を通る東京モノレール。↓
ここまで来れば、蒲田でも川崎でも第3ターミナルでも、どこへでも行けます。空港脱出成功。↓
前方に見えてきたのは、右から順に「第3ターミナル → P5駐車場 → 羽田エアポートガーデン」。↓
環八左側の多摩川河口近辺。奥に今回の目的地「多摩川スカイブリッジ」が見えてきました。↓
環八の右側には、羽田エアポートガーデンの中核施設ホテル「ヴィラフォンテーヌ」が。↓
屋上に展望天然温泉もあります。12月21日開業予定。
スカイブリッジが目の前に。↓
橋の歩道に続く階段を登ります。↓
(遠回りすれば、エレベータでも上がれるそうです)
この階段を登りました。↓
スカイブリッジ到着。手前が東京都大田区で、奥が神奈川県川崎市。↓
スカイブリッジ中央から見た河口方面。遠くに東京湾アクアラインの換気塔やら房総半島やらが見えました。美しい。↓
同じく上流方向。川崎駅周辺の繁華街だけでなく、遠くに武蔵小杉のタワマン群も見えました。↓
快晴ならば富士山も見られると思います。
天空橋駅に隣接する羽田イノベーションシティは、絶賛開発進行中。↓
さようなら、飛行機たち。↓
以上、約4kmの徒歩ルートでした。
(このあと実際には、川崎市役所方面までさらに歩った次第です。トータルで10km超の道のり。さすがに疲れました)
所感。
そんなわけで、少なくとも現時点では「羽田空港のすべての旅客ターミナルの敷地から徒歩だけで市街に出られる」ことが分かりました。
よってもちろん「歩いて空港に来て飛行機に乗る」こともできるわけです。
とはいえ、途中で排気ガスなどの異臭と騒音を浴びながら4kmもキャリーケースを転がして歩くのは、いかに空港の近隣にお住まいだとしても、決しておすすめできるものでもありません。
(ウィキペディア上でも「徒歩・自転車での第1、第2旅客ターミナルへのアクセスは一般的ではない」と解説されていますし、滑走路の真下を通過するトンネル内には監視カメラもたくさんありますので)
バリ島のングラ・ライ国際空港のように、まともな公共交通機関がなく、空港タクシーにおいていまだボッタクリ事案が発生するような環境であれば「空港敷地を徒歩で出て、すぐそばのホテルに向かう」という行動もあり得るでしょうが、羽田空港では素直に電車・モノレール・バス・タクシーなどを利用した方が良さそうです。
まぁ、普通の人なら徒歩体験するまでもなく、乗り物を使うに決まってるわけですが、バリ島旅行でもやったことがないことを、国内の大空港で一度チャレンジしてみたかったんですよね…笑。
以上、羽田空港のプチ旅行記録でした。
Link(関連サイト)
羽田空港さんの公式サイト。↓

羽田エアポートガーデンさんの公式サイト。↓
羽田イノベーションシティさんの公式サイト。↓

川崎市さんの「多摩川スカイブリッジ」紹介ページ。↓

日本航空さんの「JALスカイミュージアム」紹介ページ。↓
コメント
初めてコメント差し上げます。
この記事に大変助けられました。
先日の羽田空港の火災を受け、搭乗予定だった便が5時間遅れて到着。時刻は深夜1時過ぎでもちろん終電はなく、手荷物受け取り場を出ると椅子や地面に座り込む人で溢れていました。
嫌な予感を抱きつつタクシー乗り場へ行くと、寒空の下ざっと1000人以上が行列を成していました。
「空港から近くの駅まで歩いてタクシーを捕まえるか」と思いGoogle MAPで検索するもルートは表示されず、「もしや羽田から歩いて脱出できるルートは存在しないのか…」と半ば絶望しながら検索しているとこの記事に辿り着きました。
書き記してくださった画像の通りマップにピンを打ち、しばらく歩くと隣駅へ。そこからタクシーアプリで配車して、幸いにもすぐにタクシーを捕まえることができました。外は冷たい雨も降っていて、もしあのまま空港のタクシー乗り場で待っていたらと思うと卒倒しそうになります。
翌日は朝早くから仕事だったのですが、お陰様で無事に一日を終えることができました。
改めましてありがとうございます。
遠くまで旅するブログ主さんへあふれる幸せを祈ります。
全くの興味本位で書いた記事が、まさかこのような形で人さまのお役に立てたこと、恐縮するとともに少なからずこちらまで感動もさせていただきました。
無事にご帰宅いただけて、何よりでした。
あのような事故が2度と起こらないことを祈らずにはいられませんよね。
こちらの記事のおかげでタクシー代が浮きました。
ありがとうございます。
節約のお役に立てたようで何よりです。
こちらこそありがとうございました。