場所はここ。
当日時点では、(東京の会場として例年使用されてきた)NHKホールの改装が続いていたため、東京国際フォーラム ホールCでの変則会場となりました。(音響的に結構いい感じがしたので、今後はここもありかも、という印象です)
場所は、ここです。↓
ちなみに、客席数はNHKホールの3,601席に対して、ホールCは1,502席なので、ステージからの距離を感じさせない適度な広さもいい感じじゃないかと思いました。
現地の状況&感想。
今年8月に発売されたアルバム『音楽はおくりもの』に参加したミュージシャン(小原礼さん(ベース)、佐橋佳幸さん(ギター)、林立夫さん(ドラムス))ととも登場した矢野さんは、千秋楽ということもあったのか、いろんな意味でいい感じに仕上がった弾きっぷり・歌いっぷりでした。
ご自分を含めてこの4人をひっくるめて「The Yano Akiko」と称していらっしゃいましたが、古くからの親交に加え、「本アルバムを一緒に作り上げた仲間」という意識が如実に反映されていたのだと思いますし、実際この4人のプレイ(歌もコーラスも演奏も)の安定感&グルーヴ感は絶品でした。
矢野さんに関していえば、「ほぼ同じセットリストを引っ提げてツアーしてきただけあって、いつも以上に歌詞の安定感・再現性が高かった(←要するに歌詞のド忘れなどが少なかったということです…笑)と思いますし、高いキーの声もしっかり出ていらっしゃったと思います。
↑ちょっと“上から”な表現ではありますが、ほぼ同世代の女性ミュージシャンたち(←あえてどなたとかは申しません)の最近のメディア露出&歌唱に接したときに「あぁ…、時間が経つのって残酷だなぁ…」としみじみ感傷に浸ってしまうことが多い中にあって、矢野さんが「若々しさ・声の張り・卓越したピアノプレイテクニック」などをこれだけ維持(時には向上)しているという事実は、特筆すべきことだと思います。
とはいえ、人は確実に歳をとっていきますから、それを少しでも克服すべくおそらく「努力」の一言では片付けられないような鍛錬・ケアを重ねていらっしゃるんだと推察しています。
本当に素晴らしいことだと思います。(「練習は嫌い」と公言しているだけに、なおのこと素晴らしい。笑)
千秋楽アンコールのみのスペシャルゲスト。
「矢野さん、いくつになってもスゲーなー」ってなことを例年以上に感じられたのにはそれなりのワケがありまして、この日のみのスペシャルゲストとして登場したMISIAさんとの共演が素晴らしかったからだと思います。
今年のアルバムのタイトル曲『音楽はおくりもの』には、コーラスとしてMISIAさんが参加していらっしゃいましたので、「年末のさとがえるコンサート、もしかしたらMISIAさんがゲストで来るかもね。来るとしたらやっぱり東京公演だよね。東京公演は2日間だけど、来るとしたら千秋楽のほうだよね。そこで来ないなら、他の日にも来るはずがない」とヤマを張った甲斐があり、アンコールで「『音楽はおくりもの』を歌いますが、それにあたりましては…」みたいなMCを聞いた瞬間には全身に電気が走ったような感覚をおぼえました。
で、コールされて登場したMISIAさんは、「この曲のコーラスとして『MISIAさんが歌ってくんないかなぁ』と矢野さん本人がSNSで呟いていたことを知った時の驚き」「二つ返事で参加意思を伝えたエピソード」「実際にレコーディングに参加させてもらったことへの謝辞」「デビュー45周年を迎えた矢野さんへの祝意」などをやさしい声で語り、『音楽はおくりもの』を矢野さんと一緒に歌い、その1曲のみで退場し、アンコール終了後の(客席を背景とした)記念撮影に混ざることもありませんでした。
なんという謙虚な方なんでしょう。
ただし、歌のほうでは2コーラス目でリードを取ったりするなど、矢野さんやバンドとのハーモニーを大事にしながらも「ほらぁ、やっぱ全部持ってったぁ〜」的なMISIAワールド全開な歌声を披露して下さいました。(←あ、もちろん褒めてます)
いやぁ、この歌怪獣、とんでもないです。
この怪獣にコーラスをオファーする矢野も矢野です。笑
(そもそも自分に自信がないと、MISIAさんに“コーラス参加を1曲だけ”なんか頼めないですよね、普通。)
千秋楽では収録用カメラが何台か入っていましたので、そのうち何らかの形でリリースされたらぜひもう1度堪能したいものです。
記録写真。
ここからは、思い出の写真などを。(当然ながら公演中の写真撮影はNGです)
どうでもいい余談。
さっき「会場には収録用のカメラが入っていた」とお伝えしましたが、そのうちの1つはライブ会場などでよく見かける「ステージ下にレールを敷いて、カメラ(とカメラマン)を載せたカメラドリー(台車みたいなヤツ)がレール上をゆっくり往復しながら撮影する」スタイルでした。
で、このドリーを動かすためには人力が必要なようで、こちらのリンク先にあるようなスタイルでアシスタントさんがライブ中にドリーを押し引きするために何往復(いや、何十往復だと思います)もするんですよね。↓

1階の真ん中あたりに着席していた私にはさほどでもありませんでしたが、最前列付近の観客の中には、カメラの往復移動が気になって鑑賞に集中できなかった方もいらっしゃったかもしれません。
「無人カメラでリモート操作・撮影」とまでは申しませんが、せめて「ドリーに乗ったカメラマン自身が足元のペダルでモーターを駆動させて自分でレール移動する」みたいな方法ってないんでしょうかね。
方法はあるけど機材レンタル代が高くつくから断念したのか。
あるいはコロナ禍で辛酸をなめてきた音楽ライブ産業に関わるスタッフの仕事を1人分でも多く確保することが優先されたのか。
それともそんな機材はそもそも存在しないのか。
でも、監視カメラが大量に設置され、おそるべき顔認識技術を備えているらしい中国のIT企業なら、「フルオート走行・完全自動撮影すら可能なドリーカメラ」とか、いとも簡単に作るんじゃないのか。
そんなことまで考えたりもした2時間でした。(←あ、もちろん全体の98%はライブそのものを楽しませてもらいましたので念のため)
Link(関連サイト)
- 矢野顕子さんの公式サイト。↓

矢野さんのファンサイト『やのコレ』さんがまとめたライブレポート(セットリスト)。↓
(やのコレ運営者さんも、ステージ前の収録カメラが気になっていたご様子。最前列付近だったのかもしれませんね)
- 矢野さんによる、終演直後の記念撮影ツイート。↓
さとがえるコンサート2021終了。
— 矢野顕子 Akiko Yano (@Yano_Akiko) December 19, 2021
皆さま、ご来場ありがとうございました。💐 pic.twitter.com/vKRBbd1c69
- 矢野顕子さんのライブ関連グッズが購入できるSMA公式オンラインショップ「ROCKET EXPRESS」サイトのページ。↓

- アルバムタイトル曲「音楽はおくりもの」のミュージックビデオ。↓
(のんさんもご出演。コーラスはもちろんMISIAさん)
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