When(訪問・利用・購入時期)
- 2019年10月某日。
Where(所在地)
- ここ。
Who(同行者の動きなど)
- 総勢4名でおじゃましました。
- 甲府市内を一望できる屋上を満喫したあとだったこともあって、行動メンバー内に「えー、免震工事〜? 円柱の地下部分〜?」みたいなネガティブムードが一瞬広がりましたが、有無を言わせず道連れにしました。(いざ地下に降りてみたら、みんなけっこう盛り上がっていましたが。w)
Why(訪問・利用・購入目的&期待値)
- 丹下健三初の免震レトロフィットっぷりを、できれば拝んでおきたい。
- そもそも、既に出来上がっている建物の最下層に、あとから免震装置(巨大なゴムの塊りなど)を挟み込むって、そんなこと可能なの?
- 広報担当者さん曰く「もしご興味があれば、免震装置とかご覧になりますか?」とのこと。ぜひぜひ!と、全力で懇願。
What(やったこと・体験したこと)
- 通常の見学ルートを終了し、まずは建物外へ。
- 地震発生時に揺れを吸収された建物は、地盤とは異なる動きとなるため、建物の周囲に設けられた「建物が動けるすき間(「クリアランス」と言います)」を拝見。
- その後、円柱内の螺旋階段を降って地下へ。
- この円柱自体に「免震装置」を挟み込む必要があったため、螺旋階段は地下階の途中で強制終了させられ、別の新設階段がさらに地下へと続いてました。
- 免震装置の実物が覗ける部屋に入室。見学者向けの解説パネルを見ながら説明を拝聴。
- 日本の免震工事技術の凄さに感心しながら、後ろ髪を引かれながらも地上へ戻る。
How Much(消費コスト)
- 免震レトロフィットの見学も、これまた無料。山日YBSグループさん、本当に太っ腹です。
Photo(記録写真)
「地震時には建物が最大で横に40cm動くことがありますので、ご注意下さい」だそうです。
そうやって揺れを吸収するんですねぇ。
1段目の下に黒く細長い板状の物体が見えますが、この下にすき間(クリアランス)があるんだそうです。すげー。
このように「建物とすき間を橋渡しするように取り付けるもの」を「免震エキスパンション・ジョイント」と呼ぶそうです。
(この階下へ降りるための階段が別途新設されていました)
免震装置によって揺れが吸収されると、階段側(奥)と通路側(手前)が異なる動きをとるため、ここにもすき間(クリアランス)が設けられています。
蛇腹の壁といい、足元の鉄板といい、ここの「免震エキスパンション・ジョイント」は、まさに“電車の連結部分”のようです。
面白い〜。
ここまでくると、建築関係の人じゃないと正確な理解は難しいかも。
「柱を途中で輪切りにして、ジャッキで持ち上げて、免震装置を挟み込んでジャッキをはずす」って、ザックリ聞いただけでとんでもない仕事だと思います。
で、そのライン上に置かれているコンクリートの塊りは、実際に切り出された「円柱の一部」なんだそうです。
ぶったまげ〜。
鉄筋の入り具合が、けっこうバラついているんですけど、大丈夫なんでしょうか。w
(建設当時、なんらかの技術上の意図があったんでしょうけど)
上下に分断された円柱基礎の間に、黒い免震装置(ゴムの塊り)が挟まれているのですが、奥の暗闇と同化してしまって、円柱基礎がまるで空中浮揚しているかのようです。w
Good(イケてる点)
- 昭和の名建築の外観を保ちつつ、建物の免震化を決断した山日YBSグループは、エライと思います。
- 放送スタジオが入っているため、振動や騒音が生放送や番組収録に影響しないように、時間を選びながら工事を進めた工事関係者は、さぞや大変だったことでしょう。
- まさに“縁の下の力持ち”を見られて、感謝感激。
Not Good(イケてない点)
- 地下の免震装置部分の見学は、オプションコースのようでしたが、ぜひ通常コースに組み込んだ方がいいように思います。
Conclusion(まとめ)
- 丹下健三のメタボリズム建築の代表作を、屋上から地下までたっぷりと見学させていただきました。
- 建築好きの方々には、ぜひ一度見学することをおすすめします。
Link(関連サイト)
- 「山梨文化会館」の公式サイト(建築紹介ページ)。
山梨文化会館と丹下健三 | 山日YBSグループ あなたの、いちばんメディア。
山梨日日新聞社・山梨放送グループの拠点である山梨文化会館は、世界的建築家の丹下健三氏が設計を行い、グループ各社それぞれが独自性を十分に発揮でき、なおかつ互いに融通し合い協力できる拠点として構想、建築されました。
- 「建物見学」の案内ページ。
山日YBSグループ あなたの、いちばんメディア。
山日YBSグループは山梨日日新聞社、山梨放送を中核とする総合情報メディアグループです。
- 「丹下都市建築設計」の「山梨文化会館」紹介ページ。
- 1966年の竣工時と思しき写真が見られますが、木造家屋群の奥にドドーンとそびえる様子が、異様でもあり、カッコ良くもあり。)

山梨文化会館 | TANGE建築都市設計
TANGE建築都市設計の事例紹介:山梨文化会館
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