- 前回、
- バリ島では配車アプリを利用したオンラインタクシーが便利。
- 正規のメータータクシー(ブルーバードタクシー)も配車アプリを提供している。
- でも、オンラインタクシーの利用が禁止されているエリアがあるのも事実。
- 利用禁止エリアで見かけた看板には、オンラインタクシーの中に、ブルーバードまで含まれていた。普通のタクシー会社なのに。
- といったあたりをお伝えしました。
- 以上の背景情報をふまえつつ、今回は「私が経験したプチトラブル」をご紹介してみます。
When(訪問・利用・購入時期)
- 2019年の春。
- つまり、直近のバリ渡航時。
Where(所在地)
- デンパサール国際空港のすぐ南、ジンバランビーチに面したスペインレストランへ夕食に行った際のお話。
- レストランには何の問題もなかったものの、ホテルに戻るためのタクシー調達時に勃発。
- このレストラン自体のご報告は、また別の機会に。
Who(同行者の動きなど)
- 同行者を含め、全員が「ここまでするんだ…」とドン引きするハメに。
Why(訪問・利用・購入目的&期待値)
- 美味しいタパスとワインを堪能して、「さぁ眠くなる前にホテルに帰ろう」ということでタクシーを呼ぶことに。
- 「純粋なオンラインタクシーのGRAB」と「正規メータータクシーのブルーバード」のどちらを呼ぶかをメンバー間で議論。主な論点は下記の通り。
- この店に来る時は、ブルーバードを使った。
- このエリアに来るのは数年ぶり。
- そのため、ここがGRAB禁止エリアなのかどうか、よく分からない。
- この店に来る途中、周辺で「オンラインタクシー禁止看板」を見かけたメンバーはおらず。(そもそも夜だったので設置されていても気づける状況ではない)
- 以上をふまえ、あとあと面倒なことにならないように「正規のメータータクシー(←ちゃんと走行メーターを使って運賃を請求するタクシーの意。ただの“タクシー”だと“白タク”を指す場合が多いため使い分けられている)」を利用することでメンバーの意見が一致。
- 「メータータクシーを呼ぶなら、やっぱりブルーバードの一択でしょ」も当然一致。
- ブルーバード呼ぶなら、「店の人にいちいち頼まなくてもいいし、迎えの車が今どこにいるかも確認できるし、クレジットカードで後日自動決済されるので、配車アプリ(My Bluebird)を使う」ことに決定。
What(やったこと・体験したこと)
- メンバー内で意見がまとまったので、私が代表して配車アプリでブルーバードタクシーを呼び出す。
- 迎えにきてくれる車が決定。アプリのマップ上で、1kmほど離れた場所にいるタクシーマークが、こちらに向かってチョコチョコと動き出す。
- すると、100mも進まないうちにタクシーマークが停止。数分間動く気配なし。
- 今にして思えば、運転手はこの間、「おい、この客、禁止エリアから呼んでるじゃねーかよ。どうする? 行くか? 断るか?」と逡巡していたものと思われます。
- ただ、「その辺には行けないからキャンセルしてね」という運転手からの連絡(電話とかメールとか)も特にありませんでした。
- やがて、タクシーマークは再び動き出し、店に接近。
- 我々も道路に出て待機すべく、道に面したテラス方面へ移動開始。
- ほぼ同時に、店の前に実際のタクシーが差し掛かったらしく、外から何やら賑やかな叫び声も聞こえる。
- テラスに向かって店内をのんびり移動する我々に対し、レストランの店員が「ブルーバードタクシー呼んだのはあなた達?」と、なぜか哀れむような顔で問いかける。
- 「イエース」と答えて(←この段階ではまだのんきでしたw)我々がテラスに出たと同時に、そのタクシーは徐行しながらテラス前を通過し、店から遠ざかっていく。
- その間も、道ばたにたむろする地元の男連中が、終始タクシーに向かって何やらわめき続けている。
- 我々メンバーの1人が、こちらの存在を運転手にアピールすべく、大きく手を振りながら小走りでタクシーを追いかける。
- すると地元の男連中の1人が原チャリを急発進させ、徐行しながら遠ざかるタクシーを猛追。
- タクシーは、最初のうちこそ我々のメンバーが懸命に追いかけるのを気にしながら徐行していたものの、怒鳴りながら原チャリで追跡する男に恐れをなしたのか、加速して、追いかけるメンバーを振り切り、道の彼方へ消える。
- 追いかけてくれたメンバーと合流し、「何なんだ、これ?」と訝しがっていると、地元の男連中が近づいてきて、我々を取り囲む。こちらは一気に恐怖のどん底に。
- 取り囲んだ男連中がこんなことを言い出す。
- 「ここはブルーバードタクシー禁止! NOブルーバード!」
- 「NO オンラインタクシー!」
- 「我々のタクシー(つまりは純粋な白タク)オンリー! 他のタクシー ナッシング!」
- 「どこまで帰る? テルミー!」
- それを聞いて、何か危害を加えられるのでは? という恐怖からは解放され、それと同時にようやく事態が飲み込めた我々。
- しかし、今度は猛烈な憤りに襲われる。
- あまりにムカついたので、このビーチ界隈から離れた大通りへ移動し、そこで改めてブルーバードを拾うべく歩き出す。
- それでも男連中は我々に付きまといながら「大通りまで歩くなんて、ムリムリ! 遠い遠い! 疲れる疲れる! 我々のタクシーがベスト!」などとわめき続ける。
- 確かに遠そうだし、酒も入っていたし、途中に暗い路地もあることから、結局は男連中の軍門に降り、彼らの白タクを使ってホテルへ帰ることに。
- 車中、運転手が何か話しかけてきたが、こちらは一切無視。
- やがてホテルに着き、無言で約束の金額を払って車を降りる我々。(多少大人げなかったかもしれませんが、それだけムカついていたということで、ご理解を賜りたく)
How Much(消費コスト)
- レストランからホテルまでの距離は10.1km。白タク側の言い値は10万ルピア(約800円)。
- ディスカウントに応じる気配もなく、しぶしぶ応諾。
- ちなみに、(その夜よりも渋滞していた)別の日の昼間に8.1kmの距離をブルーバードタクシーで移動したら、料金は55,000ルピア(約440円)。
- 距離はたかだか1.25倍なのに、白タクの料金はブルーバードのほぼ2倍。
- 白タクって、つまりこういうことですよね…。
- 「たった300円ほど高くついただけじゃん」と言われればそれまでですが、だからといってあんな恐怖を味合ういわれもないわけでして。
Photo(記録写真)
- この記事の執筆時点における「配車アプリで見た、現地のブルーバードタクシーの位置」です。
- 例のレストラン周辺にタクシーがいないのは、利用禁止エリアであることが周知徹底されたからなのか、それともたまたまなのか、よく分かりません。
Good(イケてる点)
- 皆無。
- 強いて挙げれば、「あななたち、ブルーバードをアプリで直接呼んじゃったのね。私たちに言ってくれれば、『これこれこうだから、ここは呼べないのよ、ごめんなさいね』って教えてあげられたのに…。お気の毒…」という表情で哀れんでくれたレストランの女性スタッフの存在ぐらいでしょうか。
Not Good(イケてない点)
- すべて。
- 特に、同じバリ島住民同士なのに「俺達の縄張りで営業してんじゃねーよ」と声をあらげ、ブルーバード排除のためには実力行使も辞さない勢いの地元の男連中。最悪です。
Conclusion(まとめ)
- このエリアのシーフードバーベキュー店(通称:ジンバランカフェ)に、日没の前後にブルーバードタクシーでやって来る人は多いはずです。(禁止エリアでも降車は認められているらしいので)
- しかし、ホテルに帰るためには、地元の男連中(ジンバランカフェの経営者かどうかは知りません)の白タクを使わざるを得ないのが実情です。
- さもないと、「事情を知らずに自分で呼んだタクシーを力づくで排除され、そのあと男連中に取り囲まれながら『俺たちの車に乗れ』と強要」されてしまいますから。
- 他の禁止エリアでも、知らずにブルーバードを呼んだりすると、似たり寄ったりの事態になるのでしょう。
- そういえば、以前宿泊していた某ホテルでGRABを使ってクルマを呼んだら、運転手から「そのホテルは、車寄せはもちろん、敷地に入ることすらできないから、敷地の外のゲート脇まで歩って出て来てくれ」というメッセージをもらったことがあります。
- まぁ「郷に入っては郷に従え」ということかもしれませんけど、こういうことを徐々にでも近代化していかないと、そのうち「バリ島って、なんかメンドくせぇリゾートだなぁ」みたいな風評が定着してしまうのではないかと思います。
- 日本でも「客を乗せて神奈川まで行った東京のタクシーは、神奈川県内で営業したり、他県に客を乗せていったりしてはダメ(東京に行く客ならOK)」というルールがあるようですが、さすがにそれでも「横浜市磯子区で乗っていいのは白タクだけです」なんてルールはありませんからね。
- いずれにせよ、少なくとも私は、この状況が変わらない限り、あのジンバランカフェ周辺に近づくことはないと思います。残念ですけど。
- バリ島のこういうところは、やはり好きにはなれません。というか、大嫌いなのでありました。
Link(関連サイト)
- ブルーバード社のレギュラータクシー紹介ページ
https://www.bluebirdgroup.com/regular-taxi/
- ブルーバードさんの日本語による自動車チャーターサービス専用サイト
https://bluebird-hg.jp
- GRAB社のサイト
Grab. The Everyday Everything App
Grab is Southeast Asia’s leading superapp. It provides everyday services like Deliveries, Mobility, Financial Services, ...
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