- 本記事のタイトルですが、誤解を招かないように正確に申し上げると、「デンパサール国際空港・国際線ターミナルでの税関チェックを抜け、到着ゲートを出て左に曲がった所に複数の現地携帯電話キャリアが出店していて、これまで何度かTELKOMSELさんのブースでSIMカード(商品名:simPATI)を買ってきたが、販売手順に少なからず不透明さを感じるだけでなく、『料金表に記された通信量・通話分数とは異なる(=表示より少ない)SIMカードを(おそらく意図的に)提供している』と判断せざるを得ないので、私は2度と同ブースでSIMカードを買わないことに決めました」という形になります。
- 本記事は、この真偽を特定するものではなく、実際の体験を元に「私はこう感じた。だから今後はこうしようと思う」ということをまとめたものであり、皆さんに私と同じ判断・行動を推奨するものではありませんので、念のため。
- 同ブースでのSIMカード購入に関する過去記事はこちら。
When(購入時期)
- 2019年、12月末。
Where(購入場所)
- SIMカード売場は、デンパサール国際空港・国際線ターミナル1階の、この辺にあります。↓
Why(これまでの経緯と今回チェックしたかったこと)
- 2018年の渡航時は、「インターネットのデータ通信量は8GB(1週間)、50分間の通話込みで35万ルピア(約2,500円)」というパッケージを購入しました。
- 2019年の春には、以下のような料金表を提示され、2行目のプランをチョイスしました。
- いずれもクレジットカードで支払ったため、プラス3%の手数料が加算。(これは了解の上で購入)
インターネット | 電話 | 料金 |
無制限 (7日間) | - | 25万ルピア |
16GB ←手書き (30日間) | FREE LOCAL CALL ↑手書き | 25万ルピア ↑手書き |
25GB (30日間) | 30分 | 35万ルピア |
- 購入後、カード決済のレシートはもらえるものの、「適用された通信量・有効期間・通話分数」などを明記した伝票類はもらえたためしがありません。
- それに備えて、残りの通信量などが管理できる「My Telkomsel」というスマホアプリもインストールしているのですが、「SIMカード挿入後、数分経たないとアプリには反映されない」と言われたりして、これまでは販売ブースで通信量・通話分数を確認できませんでした。
- で、滞在から数時間経った頃にアプリを起動すると「なんか、選んだ料金プランの条件と微妙に違ってないか?」とか「残りの通話分数が極端に少ないんじゃないか? そんなに電話したっけ?」と感じることがありました。
- で、今回、改めて「その場でのパッケージ内容確認」を誓いつつ、Telkomsel さんのブースに向かった次第です。
What(経過) & Photo(記録写真)その1
- ということで、販売ブースに到着。
How Much(料金表&私が選択したプラン)
- 今回提示されたのは、以下の料金表です。↓
- 私の場合、滞在日数が1週間以内だったので、「ネットは7日間まで無制限、市内通話かけ放題」を意味する(と思われる)1行目の25万ルピアのプランをチョイスしました。(今回もクレジットカード払いにしたため「手数料3%」が加算)
- 現地でオンラインタクシーアプリを使うためには通話可能な電話番号の登録が必須ですし、お店の予約を頻繁にすることを前提にすると、“市内通話かけ放題”が魅力的だったのです。
- ちなみに、前回求められたパスポートの提示は、なぜか今回は要求されませんでした。
- で、「プラン内容を明記した伝票」などは今回ももらえなかったため、その場でMy Telkomsel アプリを立ち上げて「この画面上でプランを確認したい」と伝えたところ、「無制限(UNLIMITED)プランだから、アプリには反映されないです」という謎の回答が。
- 「反映に数分かかる」なら、今回こそ反映するまでこの場に居座ろうと思っていたのですが、「反映されない」のならば待つ意味がないと判断し、モヤモヤしつつもブースから立ち去りました。
What(経過) & Photo(記録写真)その2
- で、滞在2日目。ホテルの客室にて。
- マッサージ屋の予約をしようとスマホで(何回めかの)通話をしていたら、なぜか途中で電話が切れる。
- すぐかけ直すも、インドネシア語の自動アナウンスが流れるだけ。その後、何度ダイヤルしても同様の状態に。
- 先方の電話の故障かと思い、あきらめて他の店に電話をしてみたが、同じ自動アナウンスにつながるのみ。しかも、そのアナウンスが「◯◯ルピア」というように金額を喋っているらしいことに気づく。
- 試しに、客室の固定電話から最初のマッサージ屋にダイヤルすると、あっさり繋がる。
- ここで初めて「もしかしたら、さっきのアナウンスは『プリペイドのチャージ金額が足りない』と言っているのではないか? このSIMカードは『市内通話かけ放題プラン』になっていないのでは?」との疑念をいだく。
- 滞在しているホテルに、日本語がペラペラのゲストリレーションスタッフさん(インドネシア人)がいることを思い出し、無理を言って直接部屋まで来ていただき、例の自動アナウンスを聞いてもらう。
- するとスタッフさん曰く「チャージ金額が足りないから通話できないって言ってます。チャージしてくださいって言ってます」とのこと。(案の定…)
- このスタッフさんに「『市内通話かけ放題』プランのSIMカードを買ったのだから、金額が足りなくなること自体あり得ないじゃないか」と訴えても始まらないので、代わりに空港のブースで提示された例の料金表(の写真↓)を見てもらう。
- その上で、スタッフさんと以下のようなやりとりを継続。
私:「この料金表のうち、1行目のプランのSIMカードを買ったんです」
スタッフさん:「はい」
私:「これって、『ネットつなぎ放題、市内通話かけ放題。ただし7日間』って意味だと思って買ったんです」
ス:「はい」
私:(ここで、あることに気付いて)「あ、『含有成分がゼロ』のことをよく『Alcohol free』とか『Sugar free』とか言いますよね?」
ス:「そうですね」
私:「ってことは、この料金表にある『FREE LOCAL CALL』って、もしかしたら“通話分数はゼロ”って意味なんでしょうか? 英語圏のお客さんとも日々接しているホテルスタッフとして、そして現地在住の人として、この『FREE LOCAL CALL』って、どういう意味だと思いますか?」(←実際はこんな“上から”な聞き方はしてませんのでw)
ス:「『国際電話や長距離電話はダメだけど、バリ島内への市内通話は無料です』って意味だと思いますよ」
私:「『通話分数ゼロのプラン』という意味ではないと?」
ス:「えぇ、違うと思います」
- この段階で、私は「空港のブースでは、あえてどっちにでもとれる表現で『通話のできないSIM』を売りつけているのだ」と判断するに至りました。
- とは言え、通話できないままでは困るので、日本語ペラペラスタッフさんに「通話代をチャージできるお店って、この辺にありますか?」と尋ねたところ、なんと「じゃぁ、私がチャージしてきましょうか?」とのありがたいオファーが。
- お言葉に甘えて、私のSIMカードの電話番号とともに5万ルピアを渡すと、スタッフさんは退室。
- 10分ほど経った頃、通信キャリアから「チャージされたよ」を意味すると思しきインドネシア語のショートメールが届く。
- 念のためアプリを立ち上げ、5万ルピア分のチャージが追加されていることも確認↓。
- その直後、ペラペラスタッフさんはわざわざ客室に電話をかけてきて、「どうですか? チャージは増えましたか?」との確認もして下さいました。ありがたや。
- 夕食に出かける前に、改めてレセプションに来ていただき、謝辞とともにチップを差し上げたのは言うまでもありません。
How(一体なにが原因だったのか)
- このアプリの正確な見方や、Telkomselさん本来のSIMカードのしくみがよく分からないものの…。
- 「インターネット通信」の残量が「19.67GB」になっている。( → そもそもネットのプランは「UNLIMITED(無制限)」だったハズじゃんよ。もしかすると実際は「21GB」とかが適用されてたんじゃないのか?)
- 「電話(の受話器)マーク」の部分が「(残り時間)ゼロ分」になっている。( → まぁ、それでもチャージのおかげで通話できたからいいんだけどさ…)
- など、疑問は解消できておりませんが、せっかくなので、いくつか仮説を立てて検証してみます。
仮説1:私が「FREE LOCAL CALL」を「かけ放題」と勘違いしただけ
- ペラペラスタッフさんは否定してくれましたが、「ホントは『通話分数ゼロ(=通話できない)』という意味だったのだ」という仮説です。
- ここで、2019年春の料金表を再掲してみます。↓
- ご覧のように、電話については「−」と「FREE LOCAL CALL」の2種類の表記が使い分けられていることから、「FREE LOCAL CALL」はやはり「通話分数ゼロ(=通話できない)」ではなく「かけ放題」を意味していたと思われますので、この説は却下です。
インターネット | 電話 | 料金 |
無制限 (7日間) | - | 25万ルピア |
16GB ←手書き (30日間) | FREE LOCAL CALL ↑手書き | 25万ルピア ↑手書き |
25GB (30日間) | 30分 | 35万ルピア |
仮説2:販売スタッフが誤って“同額の別プラン”を売ってしまった
- 今回の料金表を見ると、1行目の「使い放題・かけ放題プラン」は4行目の「21GB&20分プラン」と同額です。
- 「最初の何回かは通話ができた」「帰国直前の通信残量が19GBだった」ことなどを総合すると、販売スタッフが私のオーダーを「4行目のプラン」と勘違いしてしまった可能性も考えられます。
- しかし、この販売スタッフは「My Telkomsel アプリでプラン内容を確認したい」という私のリクエストに対して「無制限(UNLIMITED)プランだから、アプリには反映されないです」と答えたわけですから、「別プランと勘違いした」はずがありません。なのでこの説も却下。
仮説3:販売スタッフが誤って“別のSIMカード”を挿してしまった
- 「無制限プラン」だと理解しつつ、単純なケアレスミスで「4行めの同額別プランのSIMカードを挿入した」という説ですけれど、だとしたら、商品の在庫管理・整理整頓がずさんすぎてお話になりません。
- もしこの通りだとすると「安いプランを買った人に、高いSIMカードを挿してしまって店が損する」こともあり得ますから、なかなか考えにくい説だと思います。
仮説4:販売スタッフが“意図的に”別のSIMカードを挿した
- 「どうせアプリの使い方なんて分からないだろうし、あとから返品や交換に来やすい場所でもないし、仮にクレームをつけに来られてもプラン内容を明記した伝票類を発行していないから知らぬ存ぜぬで押し切れる。だったらなるべく安いSIMカードを高い値段で売ってしまえ」という説ですが、個人的にはこれが一番しっくり来ます。証拠はありませんが。
仮説5:この売場にあるSIMカードは、実は“どれも同じプラン”
- 動機は仮説4と同様ですが、「販売時の作業手間を省こうと考えたらここまでされてもおかしくない」という、ある意味思考実験のような説ではあります。
- そもそも、いずれのプランでも“空港での特別割高価格”のはずであり、どれが売れても暴利が得られているでしょうから、「次にいつ来るかも分からない連中相手の商売」としては“なるべく手間をかけたくない・在庫は1種類にしちゃいたい”と考える人がいても不思議じゃないと思います。(←ここまで疑う私自身こそが「いかがなものか」という気もしますが…)
Good(イケてる点)
- 宿泊先ホテルで働く、日本語ペラペラのゲストリレーションスタッフさんの対応。最高です。
Not Good(イケてない点)
- 世界的なリゾートアイランドになったにも関わらず、今なお怪しげな販売方法を続けている空港のSIMカード売場。最悪です。
Conclusion(まとめ)
- これが意図的な不正販売だったのか、あるいは販売スタッフのケアレスミスなのか、はたまたプラン内容とアプリの使い勝手が分かりにくくて私が混乱しただけなのか、真相は分かりません。
- しかし、いずれにせよ入国したての人だけが通るエリアで、プラン内容の明細書もくれず、極めてクレームをつけにくい形でSIMカードを売っていることだけは事実です。
- このへんが解決しない限り、少なくとも私は空港のTELKOMSELさんのブースでSIMカードを買うことは、もうないと思います。
- くどいですが、冒頭でも触れたように「不買」を推奨する記事ではありませんので、あとは自己判断でお願いします。
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