- 2024年6月からの「大人の休日倶楽部パス」旅行の番外編です。
- 青森と秋田を結ぶ人気の観光列車「リゾートしらかみ」座席指定券の獲得をめぐっていろいろ体験したので備忘メモとして残しておきます。
- すべての情報(価格を含む)は、すべて2024年6月時点のものです。
そもそも
旅行記そのものは、こちらからどうぞ。
「リゾートしらかみ」は、青森県と秋田県を結ぶ五能線を主に走る観光列車でして、途中の日本海沿いの絶景ルートが鉄道旅行ファンに大変人気なんだそうです。
そのため、ハイシーズンには海側の窓側座席(A席)や、自由に行き来できる展望室が備わった先頭車両(もしくは最後尾車両)に人気が集中するとのこと。
となれば、「そう何度も乗ることもないだろうし、先頭車両かつ最前列かつA席を予約したい」というのが人情というもの。
「なんたって大人の休日倶楽部パス(以下「倶楽部パス」)の利用期間だし、座席はA席からどんどん埋まっていくに違いない。何号車になるかはともかく、A席だけは絶対確保するぞ」と心に誓ってトライしてみたのが、以下のくだりになります。
顛末
倶楽部パスにおけるリゾートしらかみの例外ルールを知る
- 事前の情報収集を念入りにやっていたら、「リゾートしらかみ」や「ひたち(上野~仙台)」など、同区間で別経路や別の列車と比較して到着までに時間を要する一部列車の指定席は、「えきねっと」では申し込めないことが判明。
(ルールは分かったものの、なぜこんなルールにしているのかは、いまだに謎)
- 「よって、駅の券売機・みどりの窓口で申し込んでね」とのことだが、発売日(発車の1ヶ月前)の午前10時に、このためだけにJRの駅に行くことに疑問を感じる。というか単純にめんどくさい。
(そもそも身近な駅に、みどりの窓口はおろか指定席券売機もないユーザーのみなさんにとっては最初から不利な競争を強いられるわけで、なんのための「えきねっと」なのか、ホントに疑問です)
講じた安全策:「えきねっと事前受付」で満席リスク回避
- 通常の発売日(1ヶ月前)のさらに1週間前に、えきねっとで事前申し込みができるサービスを利用することに。
(これは倶楽部パスとは無関係に利用できるサービスなので、リゾートしらかみでも受け付けてもらえます) - シートマップを使った座席指定はできず、「A席・B席…、車両の両端付近・中央部付近」程度のリクエストになるものの、「A席」に限定できるので実質問題なし。
- 通常発売日に座席確保の可否が判明するので、「可ならそれでOK。不可なら発売初日に駅に行くしかない」と覚悟を決め、事前受付に申し込みを入れる。
(この場合は倶楽部パスの「6回分の座席指定」の枠にはならないので、通常の快速指定席料金(840円)が別途かかります)
通常発売日(乗車日の1ヶ月前)その1:事前受付の結果判明
- 「えきねっと事前受付」で申し込んだリゾートしらかみのA席が確保できた旨のメールが到着。
(ただし、先頭車両は取れず) - まずは今回のメインイベントの観光列車が確保できたので、心置きなく倶楽部パス本券をえきねっとで予約購入。
通常発売日(乗車日の1ヶ月前)その2:興味が湧いて試したこと
- 倶楽部パスを買った途端、ホントにえきねっとで「倶楽部パスの座席指定6回分」を消化する形でリゾートしらかみが予約できないのか、どうしても確かめてみたくなり、トライ開始。
- 案の定、「新青森 → 秋田」で検索しても「奥羽本線の特急」や「盛岡経由の東北・秋田新幹線」などが出てくるばかりでリゾートしらかみは表示されず。
- 「だったら、リゾートしらかみが通る五能線のどこかの駅で区間を分けてみたらどうなる?」とひらめき、「新青森 → 五所川原」で検索したところ、なんとリゾートしらかみが登場。
しかも、先頭車両の最前列のA席が空いており、後先考えずに速攻で予約。(倶楽部パスの座席指定を1個消化) - 「もしかして、この調子で後半の区間も取れるんじゃね?」と思い、検索チャレンジしたところ、なんとなんと「五所川原 → 秋田」間でもさっきと全く同じ席が引き続き空いており、これまた速攻で予約。
(座席指定を通算で2個消化) - ベストな指定席が取れたので、「事前受付」で確保できていた指定席は払い戻すことに。
(払い戻し手数料は320円) - その後、ちょっと落ち着いてからリゾートしらかみのシートマップをじっくり眺めてみたら、座席にはまだまだ余裕があることも判明。
- 「これなら、五所川原の前後半で分割予約した2つの座席指定を『いったんどちらもキャンセル → 改めて1区間として予約し直す』ことで、座席指定の消化数を2から1に減らせるんじゃないか?」と思いつく。
- この種の変更は、おそらく窓口でしかできないだろうと思い、後日みどりの窓口へ向かうことに。
みどりの窓口にて(1日目)
- 都内のJR某駅の指定席券売機で倶楽部パスと指定券を発券し、それを持って横にあるみどりの窓口へ。
(券売機で完結する変更手続きとは思えず、操作する自信もなかったので、素直に有人窓口へと向かった次第です) - 私:
倶楽部パスを使ったリゾートしらかみのこの座席指定なんですが、同じ日の同じ列車の同じ座席が区間を分ける形で取れてまして、これを1つにまとめたいのですが。 - 女性の駅員さん
えっ。。。これ、どういうことですか? - 私:
えーと、倶楽部パスの座席指定を使ってるので、1つにまとめると指定の利用回数を1つ減らせるんじゃないかと思いまして。
(今にして思えば、私のこの馬鹿正直すぎる言い方が、おそらく駅員さんの心中に「てめー、小ズルいことしてんじゃねーぞ」的な悪感情を醸成させるきっかけになったのかも…) - 駅員さん:
どうして、こういう取り方をしたんですか? どうして2枚に分けたんですか?(←かなり詰問調だった印象) - 私:
どうしてって、、、いや、「新青森 → 秋田」で検索してもリゾートしらかみが出てこなかったので、途中までなら取れるのかもと思って、ためしに五所川原までにしてみたら、取れたんですよ。
で、前半が取れたから、五所川原の先もためしにやってみたら、そっちも取れたんですよね。それで2枚になったという…。
なので、実質1区間なので、座席指定の回数を1にできるかな、と思いまして。 - 駅員さん:(倶楽部パスのパンフレットを引っ張り出し、マーカーペンでラインを引きながら)
ここに「リゾートしらかみは、えきねっとで申し込めません。申し込まないでください」って書いてますよね?(←小ズルいオヤジを諭してやるぞ感がにじむ口ぶりで) - 私:(「申し込むな、とは書いてないだろ。勢いにまかせてテキトーなこと言ってんじゃねーよ」と、ちょっとイラついたものの、努めて冷静に)
あぁ、はい、そういう注意書きがあることは存じてます。ただ、前半区間を試してみて席が取れたら、後半も取れるかな?って試したくなるのが人情だったりしますよね。。
もしかして、こういう予約はホントに禁止なんですか? 1つにまとめられないのであれば、このままでもいいですけど、当日「このきっぷじゃ乗れません」とか言われてしまうと非常に困るので、きっぷとして有効かどうかだけでも教えていただけないでしょうか。 - 駅員さん:(「少々お待ちください」と言って奥に引っ込み、10分後に再登場して)
確認しました。きっぷとしては問題なく乗れますが、とにかくこの座席指定を1つにまとめることはできません。
どうしてもというなら、いったん2つとも指定を取り消して、改めて1区間として取り直すしかないです。
そしてその場合、この同じ座席が取れるかどうかは、やってみないと分かりません。
最悪、満席にならないとも言い切れないです。 - 私:(「いや、それでいいんですけど。それを望んでるんですけど」と思いつつも、いささかエキセントリックな彼女の口ぶりに嫌気がさしたので)
そりゃ人気列車なので、取り消したらすぐ別のお客さんが予約しちゃうかもしれませんもんね。
分かりました。そのあたり、いったん帰って検討します。面倒な相談でお時間をおかけしてしまい、すみませんでした。
別のみどりの窓口にて(2日目)
- たまたま仕事の都合で立ち寄った、別の駅(川崎駅)のみどりの窓口へ。
(直前にえきねっとのシートマップを見て、相変わらず座席に余裕があることは確認済み) - 私:
かくかくしかじかなんですけど、いったん2つとも取り消して、可能なら全く同じ席をひとつのの予約として再度取りたいんです。埋まっちゃったら別のA席でも構いません。 - 男性の駅員さん:(倶楽部パスと2枚の座席指定券、そして「同じ席を取り直したい」旨だけを書いた申し込み用紙を丹念に見つめながら)
なるほど。あぁ、なるほど。はいはい、なるほど。まとめるイメージですね。
となると、座席指定を2つともいったんリリースするしかないので、いまと同じ席じゃなくなる可能性もありますが、それでもいいですか? - 私:
はい、空いているA席なら、どこでもいいです。 - 駅員さん:(端末を手際よく操作し、申し込み用紙と照合しながら)
はい、同じ席でいけました。ではこちらです。
(と言いながら、倶楽部パスに印字された指定席発行回数を示す赤い星マークを一個、定規を使って丁寧に取消二本線を引き、さらにその上から駅名印もしっかり押してくれました)
倶楽部パスの現物拡大写真がこちら。
まとめ
川崎駅のみどりの窓口の男性駅員さんの業務知識、ならびに適応力、そしてもしかしたら彼の“鉄オタ”マインドにも救われた形となりましたが、だからといって都内某所の女性駅員さんの対応をことさらに批判する気にはなれません。
やっぱり、そもそもに立ち戻ってしまいますが、「同区間で別経路や別の列車と比較して到着までに時間を要する一部列車の指定席は、『えきねっと』では申し込めない」という、この特例が問題の根本のような気がします。
何らかの都合があるんだとは思いますが、鉄道旅行好きのヒマな(いや、時間にゆとりのある)大人が使うわけですから、「むしろのんびり遠回りしたい」というニーズが普通にあり得ると思うんですよね。
そういうリゾートしらかみとか特急ひたちのようなルートでも、えきねっとで申し込めるようになっていれば、女性駅員さんも私も、そして男性駅員さんも余計な時間を割かなくて済んだんじゃないかと。
まぁ、他にもえきねっとというかJR東日本さんの対応には問題を感じる点があるわけで、例えば…、
- web版のえきねっととスマホのえきねっとアプリでは、できることがかなり違う。(スマホでは新幹線や特急のチケットレス予約が中心で、紙のきっぷは買えない)
- そもそもネットで予約しているのに、乗る前に駅の指定席券売機でいちいち発券する手間がかかる。
(みどりの窓口も指定席券売機もない小さな駅が最寄りの人たちは、事実上倶楽部パスを使えないも同然だと思います) - 一度発券すると、webはもちろん指定席券売機でも予約の変更ができず、みどりの窓口に並ぶしかない。
(よって、近くにみどりの窓口がないような旅先で旅程を変更するのが極めて難しくなる) - で、その肝心のみどりの窓口が、かなり減らされてきている。
- その限られた窓口に、券売機やえきねっとでは対応しきれない(ちょっと複雑な)案件を抱えたお客さん(&インバウンド観光客)が集中するため、1件あたりの応対所要時間が昔よりかなり長くなっている。(個人の感想です)
- web版えきねっとの画面上で、リゾートしらかみのような観光列車を予約する際の入口が、通常の新幹線きっぷなどの入口とは別立てになっていて、おまけに「のって楽しい列車(観光列車)」というネーミングのバナーになっている。
(新幹線のグランクラスだって「のって楽しい」と思う人はいるわけで、この恣意的な区分けがとても気持ち悪い)
などなど、ぜひとも改善を検討いただきたく存じます。
関連サイト。
- JR東日本さんの「大人の休日倶楽部」紹介ページ。↓
- 同じく「大人の休日倶楽部パス」紹介ページ。↓
- 同じく「リゾートしらかみ」の紹介ページ。↓
- 同じく「えきねっと」の公式サイト。↓
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