宮沢賢治文学碑@宗谷岬公園。
宗谷岬公園の一角に、私の敬愛する宮沢賢治先生の文学碑があることを知り、まずはそちらへ。
「最北端の岬」と「賢治先生の最北端の文学碑」はそんなに離れていませんが、文学碑は小高い丘の上にありまして、足腰に自信のある方以外は素直に車で向かったほうがいいと思います。
ルートはこんな感じ。↓
宗谷岬公園の全体マップで見ると、このへん。↓
この解説パネルによると、最愛の妹•トシを亡くした翌年(1923年)、傷心の賢治先生は樺太(現サハリン)へ旅行し、その旅のモチーフから多くの詩を残しており、その一節が使われているそうです。↓
未定稿の文語詩「宗谷(二)」の一節。↓
「はだれに暗く緑する 宗谷岬のたゞずみと 北はま蒼に唾る サガレン島の東尾や」。
サガレンとはサハリン(樺太)の古い呼び名。
丘の先端にある、旧海軍望楼。↓
ロシアのバルチック艦隊の動向を監視するために、1902年に建設されたものです。
裏から見るとこんな感じ。こっち側が「海側」を向いています。↓
そこから見た“海側”。↓
さっきまでいた宗谷岬の尖ったモニュメントが小さく見えてます。
白い道。
ホタテの貝殻を砕いて敷いた農道です。
宮沢賢治文学碑からのルート。↓
非常に狭い道路であり、対向車とすれ違うのにもなかなか苦労します。
そのせいもあってか、「宗谷岬側からスタートして、西側へ抜けてください。逆走はしないでね」など5つのお願いが出ていますので、農作業をなさる現地の方以外の観光客は守りましょう。↓

賢治先生の文学碑前の駐車場から、白い道方面を撮影。↓
大きな風車がある方向に進みます。
道が分岐する地点にはこんな案内板が出ているので、見落とさないようにしましょう。↓
そして、白い道に到着。
道以上に白かった空。というか、ほぼ「雲の中」という印象。↓
白い道のルート中、おそらく最も映えるスポット。↓
晴れると、正面に青い空と海が広がり、利尻富士(利尻島)まで見えるらしいです。ちくしょう。
ノシャップ岬。
「地平線(水平線?)に沈む夕日」で有名らしいノシャップ岬。
白い道(終点)からのルート。↓
到着。↓
こんな天気では「夕日」など望むべくもありませんので、日没タイムなど意識することもなくフツーに来ちゃいました。
イルカ像の遠景。↓
近景。↓
このへんにもイルカが泳いでいるんですね。
九人の乙女の碑。
ノシャップ岬からのルート。↓
小高い稚内公園への登り道をクネクネと走っていたら、このあたりでまたもやエゾシカに遭遇しちゃいました。↓
(私のすぐ前を走る車の助手席に柴犬が乗っていて、窓から落ちそうになるほど身を乗り出して吠えまくっていました。シカさんは全く気にせず悠々と横断していきましたが)
で、「九人の乙女の碑」に到着。↓
実は学生時代に、都内の某ホテルで電話交換のアルバイトをしていたことがあります。
採用後の研修中に、社員オペレーターさんから「戦争中に、命の危険を顧みずに電話交換の仕事を最後までまっとうし、『これで最後です。さようなら』と言って亡くなっていったオペレーターの鑑のような女性たちがいたのよ! あなたもバイト気分を捨てて、そんな大先輩がたに恥ずかしくない仕事をしてください!」と訓話を受けたことがあり、その訓話の元となった慰霊碑があることを知ったので立ち寄ってみたという次第です。
こちらがその碑です。↓
碑の横の解説パネルやWikipediaを読んでみたら、「1945年8月20日、つまり終戦5日後にもなってソ連軍が樺太真岡に侵攻してきて、彼女ら交換手は決死の覚悟で交換台に向かい、そして『皆さんこれが最後です さようなら さようなら』の言葉を残した後に青酸カリやモルヒネで服毒自決した」とのこと。
私はここに来るまで「九人の乙女たちはソ連軍に撃たれて亡くなった」と勝手に思い込んでいましたが、事実は全く違っていて、いわゆる集団自決事件だったようです。ショック…。
おそらくは「ソ連軍に捕まったら、女性は何をされるか分からない。辱めを受けてはいけない」的な情報(教育)がインプットされていたからこそ、自ら命を絶ったのでしょうが、生存者も3名いらっしゃったとのことで、なんと言えばいいのか、もう絶句するしかないです。
前述の慰霊碑が建てられたのが1963年。
その5年後、ここを訪れた昭和天皇と香淳皇后はこの悲劇の説明を受け、慰霊碑に深く頭を垂れ、後日その感銘を和歌に託したそうで、その和歌(御製•御歌)が行幸啓記念碑として刻まれています。↓
行幸啓記念碑の奥に広がる稚内の市街地。↓
稚内港北防波堤ドーム。
最後に向かったのは、稚内港 北防波堤ドームです。
「九人の乙女の碑」からのルート。↓
これは、「稚内港の防波堤」と「桟橋から駅までの乗り換え通路」を兼ね、1931年から5年をかけて建設されたものだそうです。
ということで、全景。↓
全長427m。先端が見えない。。。↓
逆サイドから。↓
エンタシス様式のような柱に貼られた注意書き その1。「犬のフンは持ち帰ること」。↓
注意書き その2。「野営をしちゃいけません」。↓
その3。「花壇に植えられたアルメリアを持ち帰ってはいけません」。↓
これがアルメリア。和名はハマカンザシ。↓
当然ですが、持ち帰ることなく鑑賞するだけにしましょう。
最後に、おさらいの動画も用意してみました。↓
北海道旅行の記事は、次回へ続きます。
Link(関連サイト)
JR東日本さんの「大人の休日倶楽部」公式サイト。↓

稚内市役所 建設産業部 観光交流課さんの「最北のまち 稚内観光情報」ページ。↓

稚内市役所 建設産業部 観光交流課さんの「思わずやってみたくなる!稚内の楽しみ方50(wow50)」ページ。↓
(とても参考になりました。現地では紙のガイドブックとしても配布されてます)

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